血糖値上昇に関与するピロリ菌には胃潰瘍の胃薬が有効

胃潰瘍は、全年齢層で女性よりも男性の発症率が高く、特に40歳代~50歳代の発症率が高いとされています。胃潰瘍は、喫煙や飲酒、コーヒーの多飲、非ステロイド系抗炎症胃薬、ストレスなどが発症因子と考えられて来ましたが、1983年のヘリコバクターピロリ菌の発見後は、ピロリ菌感染による胃粘膜障害が主な発症原因とされています。
人間の胃壁は、内から粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜層の四層で構成されていますが、粘膜層の患部を糜爛と呼び、粘膜下層より深部組織の患部を潰瘍と分類しています。
ピロリ菌は、胃粘液に含まれる尿素の加水分解を促進する酵素ウレアーゼを分泌する事で得たアンモニアにより、胃の粘膜層の一部を中和し増粘液下層で感染巣を形成します。
ピロリ菌の増殖により、胃粘膜では有害な活性酸素濃度が上昇し、更にピロリ菌が分泌する毒素で胃の上皮細胞に炎症を引き起こされ慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの発症リスクを上昇させます。
又、消化器系の疾患だけで無く動脈硬化性疾患を引き起こすとされるピロリ菌は、血糖値の制御を助ける胃のホルモンやヘモグロビンA1cに対して悪影響を及ぼしているとされ、血糖値の上昇や糖尿病の発症リスクを高めているとされています。実際に、2型糖尿病の空腹時の血糖値は高いとされ、ピロリ菌の除菌が2型糖尿病の発症を遅らせると考えられています。
胃潰瘍の治療には、H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬、抗コリン薬、プロスタグランジン製剤、防御因子増強薬などがあり、胃酸の分泌を抑制する胃薬や胃の防御機能を高める胃薬が処方されています。又、ピロリ菌の除菌には、胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬と呼ばれる胃薬と2種類の抗生物質や3剤の成分を含むランサップなどが処方されています。