暑くなってくると、夏バテとなってしまい食欲や意欲が減ってしまいます。
食欲や意欲が減ると、口が渇いても水を摂るのも面倒くさくなり、水分補給ができなくなってしまいます。
また、夏バテとなり自律神経が乱れが原因で下痢をしたりします。
また、食中毒などで吐いてしまったりと、何らかの原因で体の中の水分が失われることで脱水症状となってしまいます。
では脱水症状は、どうやって判別できるのでしょうか?
簡単にチェックできる方法を現役看護師の“にしの”がお伝えします。
脱水症状は起きていないかチェックしてみましょう!
チェックその① 手足が冷たい
手足が冷たくないか?
脱水症状がおきると、血流が悪くなるため手足に血液が回りにくくなります。
そのため、手足が冷たくなるのです。
チェックその② 舌の乾き
舌が乾いてないか?
脱水症状では体の水分が少なくなるので、つばなどの体液を出すことも難しくなるため、舌が乾燥してしまいます。
チェックその③ 皮膚をつまむ
手の甲の皮膚をつまんでみる
医療現場でよく使われるチェックの仕方で、ツルゴール反応といいます。
ツルゴールというのは、皮膚に張りと緊張がある状態のことをいい、つまんだ後の皮膚の戻る時間をみます。
皮膚が2秒以上経っても戻らない状態であれば、脱水症状が起きている可能性が高いといわれています。
チェックその④ 爪をおす
爪をおしてみる
親指の爪を押して、爪が白くなった後ピンク色に戻るまでの時間をみます。
ピンク色に戻るまで3秒以上かかると、脱水症状が起きている可能性が高いと判断されます。
チェックその⑤ おしっこの色
おしっこの色をみる
おしっこは体から出る体液の一種です。
透明~うっすらと黄色い状態であれば問題ありません。
黄色の場合には、おしっこがやや濃くなっているため、脱水症状となりかけている可能性が高いと考えられます。
オレンジ色だと、とてもおしっこが濃くなっています。
おしっこの量も普段より少なくなっていると思います。
脱水症状が完全に起きていると考えられる状態ですので、水分補給をしっかりとする必要があります。
もし、自分で水分をとれない場合には病院に受診し、点滴などの処置をしてもらいましょう。
チェックその⑥ 血圧はかる
血圧を測ってみる
体の中の水分量が減ると血圧は低くなります。
普段の血圧の値よりも低い状態だと、脱水症状が起きている可能性があるため、水分補給をしましょう。
チェックその⑦ 手足のむくみ
足がむくんでいないか?
むくみは、血管の外に体液がもれてしまう事で起きてしまいます。
体が水分が足りないと感じ、体の中に水分をとどめておこうとして、むくんでしまうのです。
チェックその⑧ わきの下
わきの下に汗はかいているか?
暑いところにいると、体は汗をかいて体温調節をします。
わきの下がしっとりしている分には問題ありませんが、渇いていると汗として体液を出すことが難しくなっていると考えられ、脱水症状が起きているかもしれません。
チェックその⑨ ぼーっとする感じ
ボーっとする感じはないか?
体の中の水分量が減ると、脳への血流も減ってしまうためボーっとしたり意識の状態が悪くなります。
そのため、ボーっとする感じがないかどうかもチェックする必要があります。
チェックその⑩ 脈をはかる
脈が速くなっていないか?
脱水症状のひとつに頻脈があります。
体の中の水分量が減り血流が悪くなることで、少ない血液でも体の中に栄養を運ぶために脈が速くなります。
成人では一分間で100回以上であれば頻脈といわれます。
脈を測るには、手首の親指側に橈骨動脈(とうこつどうみゃく)と呼ばれる動脈に人差し指と中指を並べ、トクントクンといった所を押さえて脈を数えます。
チェックその⑪ のどの渇き
のどは渇いていないか?
脱水症状の代表的なのは、のどの渇きであるのは誰しも知っていると思います。
しかし、脱水の種類によってはのどは渇かない場合があるため、のどの渇きだけで脱水症状が起きているかどうか判別するのは難しいので、注意が必要です。
脱水が起きやすい人ってどんな人?
脱水症状を引き起こしやすいのは、子どもと高齢者です。
子どもの体は、大人よりも体の中の水分の割合は多いのです。
しかし、水分の全体量としては少ないため、大量に汗をかいたり、下痢や嘔吐をすることで、すぐに体の中の水分が失われ、脱水症状を引き起こしてしまいます。
子どもの特有の脱水症状のひとつに、泣いているのに涙が出ていないというのがあります。
これも体の中の水分量が足りないために起きる状態ですので、チェックするポイントの一つとなります。
また、高齢者は逆に大人よりも体の中の水分量は少なくなります。
老化によっておしっこを濃縮する機能が低くなってしまい、おとなと同じ量のおしっこを出すには、大人よりも多くの水分を使わないといけないのです。
そして、老化によってのどが渇きにくくなったり、足腰が弱ることでトイレに行くのも億劫でいやになり、そもそも水分を摂りたがらなくなってしまいます。
そのため、脱水症状を引き起こしていても気づかなかったり、脱水症状を改善するための方法がとれなくなってしまいます。
その場合には、脱水症状が進行してしまう前に病院へ受診して点滴などの処置を受ける必要があります。
まとめ
どうでしたか?
チェックのポイントは、誰でもわかるような簡単なものだったと思います。
脱水症状が起きていないかチェックをしてみて、当てはまるものはあったでしょうか?
お伝えしたチェック項目が複数あった場合には、脱水症状を引き起こしている可能性が高いと考えられます。
早めに水分補給をして脱水症状の進行を防ぐ必要があります。
また、あなたの家族にチェックをしてみて当てはまる人がいたら、水分を摂るように伝えてあげてくださいね。
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