2019年10月30日の首里城の火災から、6週間経過した。
ようやく政府の基本方針が公表された。
防火対策の強化を柱とする「復元に向けての基本方針」である。
しかし、前回1992年の焼失と比べてみても、資材(木材等が)や課題は多い。
それにしても、火災に縁のある建造物である。
2019火災原因は結局何だったのか
火災原因は何だったのか。
実は、未だに特定出来ていない。
火元の目星はついているが、特定までは出来ないとのこと。
原因は曖昧なまま、状況は再建へと進んでいく気配。
状況からして、電気系統と推定されているが、全焼しているため、特定することは難しいとしている。
現代の科学技術を持ってしても、本当に原因特定は困難なのだろうか。
首里城再建へ進めたい動き
【首里城 小3がお年玉全て寄付】https://t.co/eOYIQLrtV0
沖縄県の小学校3年生、宮城修士さんらが、首里城火災を受け、9年間ためたお年玉を全て寄付した。父の健さんも「社長でしょう?」と後押され、500円玉貯金を寄付。計17万6500円を新聞社に託した。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) December 11, 2019
原因究明が鈍化しているが、その一方では再建へ向けての動きは、なかなか戦略的です。
ついに、子供まで使う手に出た。
地域の経済回復
2019年112月11日の毎日新聞で、那覇商工会議所の首里城周辺で営業するお店や事業主へアンケート結果が報道されている。
首里城火災により「売上減少があったか」に対して、「減少した+大きく減少した」の合計が、53.7%。
また、今後の売上予想に対しては、「大きく減少する+減少する」の合計が、60.5%に加えて、不明が21.1%と回答されている。
周辺の関係者の不安は大きい。
管理責任は県なのか、国なのか
では、今回の首里城火災についての管理責任は誰にあったのか。
責任の所在は、火災原因と同様に、不透明だ。
火災原因は、当然管理責任と同時にある。
このことが、火災原因の特定を遅らせているという見方もある。
2019年2月に沖縄県に管理責任が移譲されている
2019年2月に管理責任が県に移譲されるまでは、国の管理であった。
しかし、有料区域では、国の管理上では「禁止行為(城内のイベントなど)」に当たるものがあった。
その為、県は観光や文化振興関連施設の活用ができるように、県独自の基準をきめていた。
県に管理責任が移譲された後、つまり国が禁止していた行為を解禁した時点での対策が十分だったのか、疑問視される。
城内で電源を使うようになったが、スプリンクラーの設置はされていなかった。
琉球新報の苦しい報道
琉球新報では、国が管理責任が移譲される前に防火設備の1部を撤去したとしている。
その表現には、首里城の火災には、「国に責任がある」というニュアンスが感じられる。
しかし、その報道が苦しいのは、撤去された防火設備は、5基のうち1基ということだ。
一方で、何故、1基だけ撤去したのかの謎も残る。
再建費用はいくらくらいかかるのか|金額もすごいが時間も
首里城は、これまでに4回焼失している。
今回の再建費用がいくらかかるのは、前回のコストが目安になる。
1986〜2018年までの33年間で、首里城を復元するためにかかったコストは、合計約240億円(260億円とする報道もある)とされる。
240億円という金額も非常に多額だが、問題はその時間だ。
前回の首里城の復旧には、33年間の時間を要している。
大工・赤瓦職人・漆芸職人たちの技術を継承しつつ、再建していくことになる。
ビルの建設とは、まるで異なる人の手による再建が必要なのです。
首里城の再建は可能か不可能か、既に前回の再建時の職人は他界している事もある。
日本の大事な世界遺産の一つです。
何とか再建されよう願いばかりだ。