ビールや日本酒をよく飲むという人は、太っている人が多い。それはビールと日本酒の糖質量と飲む量が多いからと思われてきました。それは本当なのか。
ワインはどうなんでしょう。ダイエット中にワインを飲んでも大丈夫なのか、気になります。もしかすると、ダイエット効果があるかもしれない。
太ることはないのか。深掘りし、紹介いたします。
ワインのダイエット効果|太ることはないのか?
ワインは、お酒の中では、唯一ポリフェノールのおかげで、健康イメージがあるお酒です。ビールや日本酒をよく飲む人には肥満体型の人が多いのですが、ワインはダイエットに関して、どういうポイントを持っているのか、気になります。
実際、ワインだって太る、という人もいれば、むしろ痩せるという人さえいる状況です。
お酒で太るのは、カロリーが原因なのか、糖質なのか、他に原因があるのか。そして、ポリフェノールがどう作用するのかしないか、そして赤ワインと白ワインでは、ダイエットについて意味の違いがあるのか、について紹介します。
ワインのカロリーと他のお酒のカロリーとダイエットの関係
ワインはお酒なので、高カロリーになりがちです。
100mlあたり73キロカロリー含んでいます。ビールが100mlあたり40キロカロリーなので、比べると少し多めです。またロゼなど、甘めのタイプは、さらに多めのカロリーになります。
他のお酒では、ビールが40kcal、日本酒が103kcal、焼酎が146kcal、梅酒が156kcal、ウイスキーが237kcal、ブランデーが237kcalです。
気がつくかもしれませんが、アルコール度数とカロリーが比例関係にあります。度数の強い酒ほど、カロリーは高くなります。
ただアルコールのカロリーについては、エンプティーカロリーといわれ、体内に入ってもすぐに消費されてしまうので、身体には残らないと言われています。
しかし、アルコールが分解されていく段階で、中性脂肪の合成が高まると言われる点が気がかりです。アルコールは肝臓で代謝されます。一般的な適量の範囲であれば、この時点で特に何も起きないのですが、大量にアルコールを飲んでしまうと、肝臓で中性脂肪が作られます。
中性脂肪は、通常は、糖質と同じように、体を動かすことで消費(有酸素運動)されます。しかし、中性脂肪が増えすぎると、問題が多発します。肥満・高脂血症・動脈硬化など、よくないことが多発する原因となる可能性があります。
ワインの糖質と他のお酒の糖質|ダイエットとの関係
昔は、ダイエットの基準はカロリー計算でした。現在でもダイエットと無関係ではありませんが、もっと重要なダイエットのポイントが見つかり、糖質が多い食品ほど太りやすいことがわかりました。
では、糖質の点においては、ワインと他のお酒の糖質量を調べた結果が次の表です。データは、文科省の日本諸侯非標準成分表2015年を参照しています。
酒の種類 | 糖質量(100mlあたりの含有量・g) |
赤ワイン | 1.5 |
白ワイン | 2.0 |
ロゼワイン | 4.0 |
日本酒 | 4.9 |
日本酒 純米吟醸酒 | 4.1 |
ビール | 3.1 |
梅酒 | 20.7 |
焼酎 | 0 |
ウイスキー | 0 |
ワインは比較的低糖質
ビールを意外に低いと思われる方は、実際に飲んでいる場面を想像していただくとわかるとおり、ジョッキで飲むことが多いです。ジョッキのサイズで異なりますが、一般的に中ジョッキと呼ばれているサイズが、350ml〜500mlです。
実際に飲んでいる場面では、ビールは1杯で10.85g〜15.5gの糖質量ということです。日本酒はお銚子1本(お店によって若干違う)は、通常180mlですので、1本で糖質量は8.82gということです。
ワイングラス1杯の目安は、基本ボトルから6杯分注ぐので、125mlとなり、糖質量は1.88gとなります。
ここまでのデータで、これまでのダイエットの常識では、やはりビールと日本酒は糖質が多いから太ると、思われてきました。
お酒で太る原因は糖質以外にあった|ダイエットの誤解
近年の研究では、ビール腹はビールが原因ではないことがわかってきています。
つまり、糖質が入っていない酒を選んでも、血糖値が上がり、脂肪が増える可能性があるということなんです。ダイエット効果を考える上では重要なポイントです。
酒(アルコール)を分解する時に中性脂肪が合成される
糖質が入っていない酒の場合、体内でブドウ糖に変わることはないので、血糖値は上がらないのですが、アルコールが肝臓内のグリコーゲン(糖質と水が結合したもの)をブドウ糖に分解するために、血糖値は上がるのです。
また、糖質を含んでいる酒は、当然にして血糖値を上げてしまいます。
そして、ここがポイントなのです。アルコールのカロリーは、すぐに消費されます。その時、肝臓がアルコールを分解し、中性脂肪の合成をします。つまり、アルコール自体がダイエットに合わないということです。
酒(アルコール)と一緒に食べたものの多くが脂肪になる
そして第2ポイントはここです。アルコールと一緒に食べた糖質と脂質は、アルコールの代謝が優先されるため、使われるのは後回しになり、その場では使われないため、体脂肪として蓄積されます。
つまり、アルコールを飲むと、最初に分解され、分解されることで中性脂肪が増える。そして、アルコールを飲むときに、一緒に食べたものは、アルコールの代謝が優先されるので、使われることなく、脂肪となって増えてしまう。
これが酒を飲んで太る仕組みであり、ダイエットの大問題です。
酒を飲んで太ることを回避するダイエット方法は、酒の量を減らす以外には、ありません。糖質がない酒であっても飲む量が多ければ、太るということです。
ワインのポリフェノール効果は代謝がアップしダイエットに効果
赤ワインには、ポリフェノールが複数含まれています。アントシアニン、タンニン、カテキン、レスベラトロール、ピセアタンオールというポリフェノールです。
日常的に食するポリフェノールを含んだ食品の中で、ワインのポリフェノールの含有は、最も多いとされています。
ポリフェノールのそれぞれには、血行を良くしてくれる効果・血管強化や糖質代謝の改善効果などなど、たくさんの効果効能があります。血液の巡りがよくなると、代謝がアップするので、痩せやすい体質に変わる効果にもつながります。
ただし、前述の通り、酒の量が増えてしまうと、ワインのアルコールを分解する際に中性脂肪が増え、ワインを飲みながら食べた食品の糖質と脂質の多くが、体脂肪として増えてしまいますので、ワインを飲む量は少なくしなければなりません。
白ワインにはカリウム|デトックス効果
白ワインにもポリフェノールは含まれてはいますが、赤ワインに比べると非常に少ないものです。
しかし、白ワインにはクエン酸やアミノ酸やオレイン酸などの有機酸が含まれています。有機酸の殺菌効果が腸内環境を良くしてくれます。腸内環境が整うことはダイエットには非常に大事なことです。
また、カリウムが余分な水分を排出してくれますので、むくみ対策に良いです。
ダイエット中にワインを飲むときの飲み方は1日2杯まで
ワインが低糖質だといいましても前述の通り、アルコール自体に脂肪が増えることが関連しているのですから、飲む量は、コントロールする必要があります。
1日2杯というのは、一般的な目安です。個人差があることですので、1日1杯を上限にした方が良い方もいらっしゃるはずです。
ダイエットの進み具合が良くないのなら、ワインの量を減らす必要があるかもしれません。
ワインを飲んで太るという方は酒量とつまみに問題
どんなつまみを食べるのかということも関連はしていると思います。
しかし、ワインの酒量が多ければ、その時点で、太る原因になっています。一緒に食べるご飯もつまみも脂肪になってきた可能性があります。
ワインと一緒に飲んで食べると、糖質も脂質も脂肪になってしまいます。ワインの量を減らすように、注意しましょう。
まとめ
酒やワインと肥満との関係性について、ご理解いただけたものと思います。
確かに、ワインや酒に含まれている糖質も重要ポイントでした。糖質が入っている酒を飲めば、血糖値が上がるからです。
でも、糖質が入っていなくても、アルコールを飲めば血糖値が上がってしまうのです。
そして、アルコールと一緒に食べると、糖質も脂質も脂肪に変わる可能性が大きいです。
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