糖質制限やってるが痩せないという人がいます。
糖質制限食には、実はきちんとした基準があります。しかもそれは国際的な基準です。
糖質について、なんとなく控えているという食事は、糖質制限食のレベルになっていない可能性があります。
深堀して紹介いたします。
糖質制限ダイエットで痩せないのは糖質制限になっていないから
糖質制限食というのは、そもそも糖尿病患者のための食事です。
食事後の血糖コントロールが上手くできなくなった糖尿病の人に、糖質制限食を食べてもらい、食後に高血糖になることを防止するのです。
糖質制限食自体、病院で患者に提供されており、患者に提供されており、糖尿病や肥満に対して、成果が出ているという記録があります。推奨される1日の等質量にはガイドラインがあります。
ガイドラインは、「一日の糖質量は130g以内」です。これは、アメリカの糖尿病学会が糖質制限食の定義としているものです。
糖質制限をさらに進めたケトン体ダイエットでは、1日の糖質量を60gとしています。ダイエット目的の場合、この1日60gが最適であり、最も効果が出ると、ダイエット外来のドクターが提唱しています。
1日に糖質が60gということは、3食とも主食を抜くことになります。糖質制限ダイエットをしているが痩せないという人は、ここまでの制限をしていい内容です。
糖質制限を始めて1週間の変化
通常の糖質制限ダイエットを始めると、比較的早く体重が減ることがあります。ちょっと嬉しくなりますが、実はこれは水分です。脂肪が減少したわけではありません。
もともと人間の体の50〜60%は水分でできています。現代人は、炭水化物をたくさん食べる傾向にあります。炭水化物のほとんどが糖質でできていて、糖質は体に入ると水分を結合するのです。糖質1gに対し、水分3gの割合です。
糖質制限を始めると、糖質に結合していた水分が排出されます。そのために数キロの体重減少が起きたように感じるのです。
糖質制限ダイエットを始めたのに痩せない理由
最初の1週間は水分が排出されて、数キロ落ちたものの、その後体重が落ちないというパターンがあります。実は、パターンというくらいに、意外に多いのです。
痩せない理由は色々と考えられますが、最も大きな理由は、糖質制限をきちんと実行していないことが原因しているのだと思います。始めてから1週間目で、水分が排出されただけなのに、こんな感じで体重が減るという感覚を持ってしまった人は、その後で痩せない状態になってします。
糖質制限ダイエットで痩せない理由について、一つずつ確認をしてまいります。
糖質制限の結果が現れるには時間がかかる
糖質制限の目的は、脂肪を減らすことにあります。
糖質制限が進むと、糖質が体外から入ってこないため、肝臓に蓄えられていたグリコーゲンを分解してエネルギーに変えるようになります。しかし肝臓のグリコーゲンは、1日分ほどしかありません。
次にエネルギーは筋肉を分解したり、脂肪細胞の中性脂肪を分解して作られるようになります。このとき、中性脂肪が分解して直接エネルギーになるのではなく、中性脂肪からケトン体へと変換してから、エネルギーとして使われます。
ですので、ケトン体が出るようになるまでには、2週間はかかるのです。
そもそも糖質制限がコントロールされていない
糖質制限ダイエットをしているつもりになっているが、実際には糖質を食べすぎている場合です。
少なくとも3食のうち1食は主食を抜くことです。確実に結果を出すのであれば、3食全部主食を抜くことです。これで、1日の糖質摂取量は60gほどです。
間食の誘惑に負けて、糖質量が高い食べ物を食べてしまわぬように、してください。食べるなら、低糖質低カロリーのナッツ類がおすすめです。
もしかするとカロリオーバーになってない?
糖質制限の食事では、主食となる穀類等を食べずに、タンパク質と脂質を食べることになります。
タンパク質だけを増やすのは、難しいので、脂質も増えることになりますが、問題なのは、カロリーです。
糖質制限を守っていても、その他の食べ物でカロリーオーバーになっている可能性はあります。
炭水化物は1gで4kcalのカロリーを持っていますが、脂質は1gで9kcal、タンパク質は1gで4kcalのカロリーを持っています。脂質のカロリーは糖質の2.5倍ありますので、うっかり脂質を多めに食べてしまうと、カロリーオーバーになってしまうリスクがあります。
ただし、カロリー制限をし過ぎてしまうと、のちにリバウンドする可能性が高まりますので注意です。
運動をしていないので基礎代謝が落ちている
糖質制限ではありがちですね。
前述したように、糖質制限を始めて、糖質を食べなくなると、体を動かすエネルギー確保のために、グリコーゲンを分解し、その次は、筋肉か脂肪を分解してエネルギーとするようになります。
この状態が続くと筋肉量が減少し、基礎代謝が減少してしまいます。
人間が一日に消費するカロリー(エネルギー)、基礎代謝と活動エネルギーと食事誘発性熱産生です。基礎代謝は、スポーツなど以外の日常的な脳と内臓・筋肉による消費(寝ている間も)カロリーのことで、一日に消費する全体量の60%になります。
活動エネルギーは、日中に仕事などで体を動かすことで消費されるエネルギーで、全体量の30%ほどになります。食事誘発性熱産生は、食事をすることで消費するエネルギーで、全体量の10%です。
基礎代謝が筋肉量の低下などで下がってしまうと、一日の消費エネルギーに大きく影響してしまいます。ですので、基礎代謝を落とさないように、筋トレを行うなどは、大事なことです。
倹約遺伝子(肥満遺伝子)
1962年にアメリカの遺伝学者ジェームス・ニール氏によって、提唱された仮説があります。
倹約遺伝子(肥満遺伝子)を持つ人々がいると言うのです。エネルギー効率が良く、脂肪を蓄えることに長けている遺伝子とされています。この仮説的遺伝子である倹約遺伝子を持っていると、痩せづらい特徴があるとされています。
便秘になっている
糖質制限ダイエットとは、主食を抜いて炭水化物を食べない方法です。
しかし、炭水化物には、糖質の他に食物繊維という重要な要素が含まれています。炭水化物を食べないということは、そのままでは、食物繊維も食べないことになります。
食物繊維を食べないと便秘になることは自然な現象です。ですので、主食を抜いて、野菜や海藻類を増やすことを食事で対策する必要があります。
糖質制限で痩せない対策
糖質制限ダイエットをする場合、主食の白米やパンを抜く方法が定番です。しかし、糖質は穀類以外にも意外に糖質量が多い食材もあります。
食べ物の糖質量やGI値についての知識を正しく理解しておくほうが良いですね。
例えば、コーンフレークの糖質量は、100gあたり81.2gもあることは以外に知られていません。野菜で言えば、さつまいもやかぼちゃは、高めです。さつまいもは糖質が30gありますが、GI値が55ですので、玄米並みです。
昆布茶、ケール青汁の糖質量がともに42gを超えていることなどはあまり知られていないと思います。
結局、糖質制限をやって痩せないという人は、多くの場合、きちんとした糖質制限になっていないことが多いですので、正しい知識を持って、対策をすることです。
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