炭水化物抜きダイエットとは、多くのダイエットの中でも最も知られたダイエット方法ではないかと思います。やり方は、非常に簡単で、主食となる白米やパンを3食のうち1食か、ないし3食を抜く方法です。
軽めの炭水化物ダイエットなら、1食抜きでも良いでしょう。きちんと結果を出すためには、3食とも主食の炭水化物を抜くほうが良いです。1日の糖質摂取量は目標60gです。
炭水化物抜きダイエットのデメリットとリスク|やりすぎると危険
厚生労働省の「国民検討・栄養調査」の資料から、過去20年ほど肥満傾向が強まっていることがわかります。比例するように増えているのは、脂質ではなく、炭水化物です。
つまり、肥満の原因になっているのは、炭水化物の食べすぎであるという可能性がわかります。
ですので、炭水化物抜きダイエットを行う方が取り入れ、結果も出しています。ただし、いくつかのデメリットとリスクがありますので、炭水化物抜きダイエットのやりすぎにはご注意ください。
炭水化物抜きダイエットのデメリットとリスク
炭水化物抜きダイエットをはじめると、メリットがある代わりに、デメリットと感じることや、リスクが有ると感じることがあることに気づきます。
食べられる食事が少ないことに気がつく
炭水化物抜きダイエットを始めると最初に気づくことがこれです。主食を米やパンを食べてきた人が炭水化物を食べない生活に移行すると、選べる食べ物が少ないことに気づきます。
パンについては、菓子パンや調理パンに、限らず食パンでさえ、糖質は高く、加えて、脂質やGI値が高いのです。白米は100g中に38gの糖質を含んでいますが、食パンが約48g、ロールパンが46g、フランスパンは55gです。GI値は、白米88、パンは総じて75〜95あります。(GI値が高いほど血糖値が上がりやすいです。望ましいのは、55以下です)
調味料のかけすぎもまた、意外に糖質が多いですので、味が濃いものほど糖質量が多いと覚えると良いです。醤油の糖質は少ないですが、コショウ(約66g)・みりん(約43g)・白味噌(約32g)などは多いです。
便秘になる可能性がある
炭水化物の主成分は、糖質と食物繊維です。炭水化物抜きダイエットは、糖質を食べないというダイエットです。同時に、食物繊維を食べないことになってしまいますので、野菜や果物を多く食べて食物繊維を取るように対処しないと、食物繊維が不足し、便秘になってしまいます。
便秘は、腹部の膨張感や腹痛を起こしますし、栄養状態が悪くなります。ですので、炭水化物の食物繊維が減少する分を他の食品で摂取する必要があります。
低血糖で疲労感疲労感
炭水化物を減らして、糖分を摂取しないわけですから、低血糖を起こす可能性があります。糖質の役割は、体を動かすエネルギーになることです。体は、糖質が制限されてる状態が続くと、筋肉の分解や脂肪の分解が始まり、エネルギーを作り出します。
ただし、低血糖の状態が発生してしまうリスクはあります。血液中の糖質が減少してくると、発汗や脱力感・思考力の低下などが起きてくるリスクがあります。
筋力が落ちる
炭水化物抜きダイエットでは、筋トレを行うように指導されます。それは、前述のように、体に糖質が入ってこない状態を続けていると、筋肉と脂肪が分解されて、体を動かすエネルギーが作られます。本来は、脂肪燃焼が狙いでしたが、筋肉の分解も起きてしまいます。
筋トレを行うことで、筋肉の分解があっても、筋肉を現状維持以上にするために必要なのです。何トレーニングなどをせずにいると、筋肉量が減少し、基礎代謝が減るように調整されてしまいます。
筋トレを行い、筋肉の基となるタンパク質を多く食べるようにしましょう。
一過性ですが体重が増えることも
炭水化物抜きダイエットを始めると、すぐに体重が少し減少します。これは、糖質が体内に入ると、水分と結合する状態が減少するからです。
糖質1gに対して、水3gが結合します。ですので、初めて数日間で体重が数キロ減るのは、糖質を取らないことで、結合されずに排泄されるからです。
本格的に、炭水化物抜きダイエットの効果がで始めるのは、脂肪燃焼が始まっていくことです。この場面に至るまでに、個人差はありますが、2〜3週間かかります。
この間に、前述の筋トレをしている方は、筋肉量は落ちずに、維持か増量してる状況にありますので、体重は一時的に増加する可能性があります。
しかし、次は脂肪燃焼が始まっていくステップですので、炭水化物抜きダイエットをやめずに続けていけば、体重は減少に転じていくはずです。
口臭が強くなるかも
炭水化物抜きダイエットは、糖質を取らないことで、糖質が代謝に使われず、脂肪として体内に残ってしまう状態を防止し、脂肪を燃焼させて体を動かすエネルギーに、転じていく方法です。
ただ、脂肪から直接エネルギーに変わるのではなく、脂肪が分解されて、脂肪酸になり、ケトン体というエネルギー源の状態に変化してから、エネルギーとして使われるのです。
このケトン体という物質の匂いが、体臭や口臭から発せられる可能性があります。そういう意味では、ケトン体の匂いがするということは、脂肪燃焼が始まっていく前兆なので、ダイエットは順調に進んでいると理解もできます。
糖分を取りたいというストレスから反動で過食してしまうかも
実は糖質には、「糖質中毒」「糖質依存」という言葉があるように、なかなか怖い性質があります。一説には、糖質中毒は薬物依存よりも怖いとも言われています。
医師の言葉でも「糖質依存は、他の依存症よりも、長い時間をかけて脳を侵食しているので、治すのが難しい」と言われています。
糖質は、筋肉や内臓を動かすエネルギーですが、脳が一番糖質をエネルギーとして使っているのです。そして、甘いもの(糖質)を食べると、脳にはドーパミンというホルモンが放出されます。
ドーパミンとは、脳内麻薬と言われる幸せを感じるホルモンです。
個人差はありますが、炭水化物抜きの状態は、大きなストレスになる方もいます。このストレスの反動で、何かをきっかけに食べてしまうと、反動で過食につながる可能性があります。
中毒や依存の状態になっていれば、医師でも治すのが大変ですので、本当に長い目でストレスにならない程度に少しずつ対処していくしかないのかもしれません。
低血糖は頭痛・吐き気
低血糖状態になれば、頭痛や吐き気も起こる可能性があります。脳は、糖質を栄養として動いています。それがなくなる状況です。
体は血糖値を上げようと作用します。結果、アドレナリンが大量に分泌されいくことになります。そして、血管が収縮して、頭痛が起きるのです。
また、ダイエットを始める前は、高糖質の生活をしてきているはずです。その状況から、急に糖質を減少させ、タンパク質を増やした食生活に変化していく途中で、体調がついていけない状態になってします。吐き気となって現れる場合もあるのです。
ともに、結果を焦るあまり、体の順応期間を考えずに、いきなり全開の状態でダイエットを始めたのかもしれませんが。高糖質生活から、ある日を境に、炭水化物抜きダイエット生活になれば、体が変化に対応できないことは十分に考えられます。
リバウンドのリスク
炭水化物ダイエットで最もありがちなのは、リバウンドのリスクです。
ダイエットを始める時もそうですが、体への変化は徐々に行うべきです。ですので、ある日から、いきなり3食とも主食を取らないという大変化のダイエットではなく、最初は、3食のうち1食から始める方法が良いです。
同様に、目標達成して、食生活を戻そうとするときも、一度に戻すのは、リバウンドするのが必至です。そもそもダイエット前の食事は、炭水化物が多い食生活であったことを思い出してください。徐々に戻してください。そして、ダイエット前の食事まで戻してはダメです。
一度に戻すことはNGです。
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